続・年金分割
こんにちは、行政書士の齋藤です。
前回年金分割制度について軽く触れましたが
今回はもう少し詳細に、お話しさせて頂きたいと思います。
年金分割制度を利用できる人
そもそも論ですが、この制度で分割する年金は
婚姻中に納めた厚生年金保険料の納付額です。
つまり、夫婦が共に婚姻期間に第2号被保険者でなかった場合は
厚生年金を納めていないので、この制度は利用できません。
また、請求期限が「(原則)離婚日の翌日から2年以内」と
定められていますので、期限が過ぎれば当然請求することは
できなくなります。
年金分割の方法は2種類
年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類の方法があり
どちらの方法を選択するかは、夫婦の働き方によります。
- 婚姻中、夫婦共に厚生年金保険料を支払った記録がある場合は
「合意分割」になります。
将来もらえる厚生年金額の少ない方が多い方に分割を請求します。
例)
会社員(公務員を含む)同士 - 婚姻中、夫婦の一方が第1号被保険者または第3号被保険者だった
場合は「3号分割」になります。
例)
会社員(公務員を含む) と 自営業者、農業者、漁業者等
会社員(公務員を含む) と 専業主婦(夫)
会社員(公務員を含む) と パート・アルバイト(扶養の範囲)
なお、婚姻中に、専業主婦(夫)だった期間と会社員だった期間が
ある場合は、合意分割をすることによって、同時に3号分割の請求が
あったとみなされます。
合意分割と3号分割には、その他いくつかの違いがあります。
合意分割は単独で出来ない
合意分割はその名のとおり、夫婦の合意によって分割を行うものです。
按分の割合は、夫婦の話し合いによって決めることができ、
上限は2分の1です。
もしも話し合いがまとまらなかったり、なかなか合意に至らない場合は
裁判所での調停や審判によることになります。
また、合意書を公的な文書で作成する場合は、2人揃って公証役場へ
手続きに行く必要があり、
合意書を私的な文書で作成した場合は、2人揃って年金事務所へ提出に
出向く必要があります。
離婚時に関係性が悪化している場合、このような話し合いや共同の作業
は簡単ではないはずです、合意に至らずに期限を過ぎてしまうなんて事
もあり得る事でしょう。
請求する側としては、請求期限内に合意し請求書を提出するために、
冷静な話し合いや、共同作業ができる程度の関係性であることが大事
になりますね。
3号分割は単独で請求できる。
一方3号分割の場合は、分割をしてもらう側が単独で請求できます。
相手と合意する必要も、分割請求することについて報告する必要も
ありません。
按分の割合は一律2分の1となります。
合意分割に比べると、大分ハードルが低く感じますね。
但し、3号分割については、
平成20年4月以降に扶養に入っていた期間が対象期間になりますので、
婚姻日~平成20年3月末の期間は、3号分割を請求することはできま
せん。合意分割の手続きによることになります。
実際年金はどれくらい増えるの??
婚姻期間が長くなる程もらえる年金額は多くなります。
また、分割される側の年金保険料納付額が多い程年金額は増えます。
しかし、私もでしたが実際シュミレーションサイトで年金額を
計算すると、思ったより増えません。
期待してガッカリする方が結構いらっしゃると思います。
そして頭のなかで、手続きの億劫さと増える年金額を天秤に
かけ、分割を請求しない選択を取る方もいるのではないでしょうか。
しかも年金ですから手続きしたところで65歳までは受給され
ませんし、離婚後の生活費に充てられる者ではないんですよね。
分割するかしないかは自由
おそらく、離婚を考える前からこの年金分割の制度を知っていた
という方は、少ないと思います。
離婚後もよく知らないまま、請求期限を過ぎてしまう方もいること
でしょう(私です・・)。
年金分割するかしないかは自由、まずは制度や手続きを理解すること、
その上で自分にとってメリットが大きければ手続きをする。
けれど手続きを負担に感じたり、デメリットもあるのならば
手続きしなくていい。
皆様に、年金分割についてよく知らないまま請求期限を過ぎ、
後で「やっておけばよかった」と後悔をしてほしくないと
いう思いで今回お話しさせていただきました。
離婚を考えている方の検討材料になれば幸です。
読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m
